2021/02/23

経験がないとはどういうことか

人事の仕事、特に労務系は知識だけであれば結構あとから短期的にキャッチアップできる面が大きい。それでも経験がモノをいう場面というのがたくさんある。

個別のER事例について、どういうアプローチなら例えばどれだけのリスクを伴うのか、どういう結果に帰着するのかといったことを予め推測しようとすると、当然知識はある程度必要になる。しかし知識とか法律だけで対処しようとするとグレーゾーンが大きすぎて、セーフマージンを大きくとらざるを得ない。つまり非常にコンサバでローリスクな対応しかとれなくなる。

ところがクライアントサイドは往々にしてもっと過激な、直截的なアプローチを求めていたりするものなので、それに対して常にコンサバな対応に終始するというのは要するにたとえば交渉らしい交渉から全てベタ降りするということだから、彼等からのこちらの評価が怪しくなってくるし、なにより会社にとってもコストがかかることが多い。

これは旅行における知識の関係性とだいたい相似形で、その地域の安全情報とかのさまざまな知識を予め得ておくのは当然必要として、それプラス経験をつめばつむほど適度にリスクをとれるようになってくるのに似ている。



2020/12/31

2020年の個人的備忘録

 2020年が終わる。今年は個人的なイベントと転居から始まったが、そのころはまさかこんな年になるとはまるで想像しなかった。3月頃までは岡山出張などもこなしていて、この感染症はいよいよヤバそうという印象は既にもっていたが、ここまでの生活環境の激変をどれだけ想像できていたか、今となっては思い出せない。

自分の場合わりとよくアンテナを立てていたのと、かなり好奇心をくすぐられるというか、極めて学際的なテーマで調べたくなる要素があったこともあり色々読んだりしていた。だから結構ことのインパクトはそれなりに予想できていた気がする。ただしこの感染症のインパクトの大小と、生活環境への影響の大小はかならずしもそのままリンクしない。というのも生活環境がどれだけ変わるかは、職場や学校といった自分が所属する組織がどれだけこの感染症に対応するかによるからである。もっというと自分の住んでいる国によってインパクトが変わってくる。

自分の場合日本に住んでいて、7月ころや秋ごろなんかは(みんなマスクしてたりする点以外は)割と普通の日常を送れていたわけだが(実際そのころには河口湖とか箱根とかにちょっとした国内旅行したりした)、これが欧米なんかであれば文字通り激変なのだろうと思う。

また自分の場合、2012年の留学以降はずっと年1回は海外に出る機会があったから、それが久々になかった珍しい年になった。唯一趣味らしい趣味だけに、旅が恋しい。

良かったのは、まず東東京に転居してアウェーに身をおけたこと。上野や北千住、西日暮里といった界隈は自分にとってとても新鮮でなかなか面白かった。やはり知らない街に住むのは良いものだ。また一時期は日経のオフィスパスを使ってあちこちのコワーキングで仕事した。六本木・渋谷・秋葉原・松戸など。コワーキングはオフィスという目的地があるから特定の街を訪れるきっかけになる。文字通りノマド化した感じ。これでコロナがなければもっと散策できて楽しかったのだろうと思うがこればかりはしょうがない。

もう一つ良かったのはやはりかなり徹底的に体調を見直すきっかけができたこと。これは昨年の鍼灸から着手しはじめたことではあるけども、春夏にかなり時間があったことでかなり徹底的に文献を調べて、自分のベンゾ離脱症に対するアプローチを研究することができた。

色々試してみる中で現在は、

・脳内のGABAを増やせそうなサプリ(ビタミンB6・ナイアシンなど)
・プロバイオティクス+オリゴ糖
・火を使わないお灸で首・肩をケアする
・ゴムチューブによる背筋・頸椎周りの筋肉の強化
・漢方
・各種のイビキ防止
・基本的な栄養・消化への配慮

といった方法論に行きついているが、今はこの数年では一番体調が良い。ベンゾ離脱症になってから一番かもしれない。まだ試していないメソッドがいくつかあるので、2021年はさらにいくつかバリデーションしながら体調改善を図りたいと思う。

思えば2018年の激務で2019年は最高に体調が悪かったわけだけど、それと比べると今は大変良いように思う。当たり前だが今年起きたような大きな外圧は色々なことを変える契機になる。その意味で自分にはやはり良い面もあった。一方で日本社会の変化の予想以上の緩慢さにはがっかりすることもあるが、これはもう今のこの国ではどうしようもないことなのかもしれない。

一方で2020年は個人的に進めていたプロジェクトの進捗がイマイチだった。幸いウチの会社は今後も在宅推奨になりそうなので、今後もう少し時間を上手に確保して進捗を早めていきたいところ。

2020/10/09

横浜トリエンナーレ2020

トリエンナーレ2020に行きました。


私はたまたま誘われていった2001年の第1回から全部行っているのですが、ちょっと気になってHPにのっていた過去の会場や入場者数を調べてみました。

2001 主会場:パシフィコ横浜展示ホール、横浜赤レンガ倉庫1号館
参加作家数:109作家
作品数:113件
総事業費:約7億円
総入場者数(有料会場入場者数):約35万人(約35万人)

2005 主会場:山下ふ頭3・4号上屋
参加作家数:86作家
作品数:84件
総事業費:約9億円
総入場者数(有料会場入場者数):約19万人(約16万人)

2008 主会場:新港ピア(新港ふ頭展示施設)、
日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、
横浜赤レンガ倉庫1号館、三渓園、他無料3会場
参加作家数:72作家
作品数:66件
総事業費:約9億円
総入場者数(有料会場入場者数):約55万人(約31万人)

2011 主会場:横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)
参加作家数:77組(79作家)/1コレクション
作品数:337件
総事業費:約9億円
総入場者数(有料会場入場者数):約33万人(約30万人)

2014 主会場:横浜美術館、新港ピア(新港ふ頭展示施設)
参加作家数:65組(79作家)
作品数:444件
総事業費:約9億円
総入場者数(有料会場入場者数):約21万人(約21万人)

2017 主会場:横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館 地下
参加作家数:38組、1プロジェクト
総事業費:約9億円
総入場者数(有料会場入場者数):約26万人(約26万人)

2005以降、総事業費が一貫して9億円。場所の問題なのか、総入場者が一番少ないのが2005で、一番多いのが2008。近年は20~30万人のくらいの推移。総作家数は減少傾向です。

未だに一番印象深いのが2001で、この時は本格的な現代アートの展示会に行ったのが初めてで、その時は自覚していなかったものの結構衝撃を受けて帰ったようです。それ以来横浜トリエンナーレは毎回行ってますし、海外の現代アートの美術館も色々行きました。

2005はだだっぴろい会場に大規模な作品が多数で、じっくり楽しむ趣には欠けるが文化祭的な面白さは一番だったかも。

2008はトリエンナーレならではの文化祭的な雰囲気と、現代アートならではの価値観がゆさぶられるような感じが両方あって今思い返すと一番よかった。夜になって会場内カフェで休んでいたらアートクラスターな方々が熱心に語っていてなんか刺激を受けましたね。

2011からは運営が国際交流基金から横浜市に変わったとかで、横浜美術館が主会場。特にBankArtの方に印象に残るインスタレーションが多かったように思います。この回もなかなか良かったですね。

2014はふたたび新港ピアを第二会場。会場面積は一番かも。新港ピアはとりこわされて今はハンマーヘッドになってしまいましたが、ここは単純に広いコンベンション会場みたいな感じで、作品にあわせて会場レイアウトできる感じで良かったですね。

2017はひさびさに赤レンガを第二会場に使っていて、そちらはかなり良かった。2014・2017は東日本大震災からの影響を感じさせる作品が印象的。

それで2020はどうだったかというと、正直今までで一番盛り上がりに欠ける印象でした。なんか横浜美術館自体、会場に方に自由度がなくて作品が会場の枠に抑え込まれているような印象。初期のトリエンナーレにあった文化祭的な面白さに欠けるように感じました。第二会場のProt48の方が面白かったですね。エビの作品が印象的だった。

主会場を見れていない2001を除いて自分的に良かった順で並べると

1位 2008 
2位 2011
3位 2005 
4位 2014=2017 
6位 2020

という感じ。

2020/09/20

日本の夏 コロナの夏

 4月の緊急事態宣言からの5月までの自粛、6月の小康期間を経て7月にまた再拡大。


それで8月どうなるかと思いきやなぜか感染数が減少トレンドに転じた。8月のあいだ、結構都心に出たり近くの繁華街をウロウロしていたりしたのだが思ったより商店も飲食店も普通にオープンしていて、某餃子の●将みたいな庶民向けのお店なんかめちゃくちゃ密になってしまっているのを見かけた。ここのところまた増加の兆しが出ているという報道もあることを考えると、結局日本(とうか東京)の場合通勤電車というのが非常に大きな感染経路であって、8月にみな夏休みをとっていたから感染が減ったのではないかと思わざるをえない。


飲食店の意外な繁盛ぶりを見るにつけ、実は電車通勤者を減らし、あとはマスクとクラスター対策だけ徹底していればそこそこ経済を回すこともできるんじゃないかという気がしてくる。ニュージーランドや中国本土のような徹底的な封じ込め戦略がとれるのであればそれが一番経済には良さそうなんだけど、日本の場合個人情報保護法や、権力への懐疑的な世論もあるのでどうも難しそう。


ところで商店・飲食店の感染対策への対応は非常にきれいに二分されてしまっていて、
感染対策をしっかりしているお店(検温・ソシャディ・消毒あり)と、
なんもしてない、本当に野放しのお店。

前者はたとえばユニクロのような感染対策に耐えうる大企業と、感染対策をすること自体が集客上のアピールになるような、ちょっと民度というか、感染対策意識の高い層向けの飲食店がメインだし、

後者はたとえば個人経営の大衆居酒屋で、お金のない学生とか近所のおっさんとかが「感染とか怖がってられるかよ」とか言いながら飲んでるイメージの店とかで、あるいはカフェとかの低単価業態で席を間引くとどうしても赤になるようなお店。都内のスタバとか本当に普通に混んでいる。


気の毒なのは客単価・客層的には後者(大衆向け)なんだけど頑張って対策しているお店。対象顧客がそもそもあまり気にしてないから、感染対策が集客上のアピールポイントにならない。たぶんいろんな店がそのことに感覚的に気づいてて、つまり感染対策なんかせずに野放し路線全振りで経営しちゃったほうが(うっかり自分の店でクラスターが出て営業停止に追い込まれるとかのもろもろリスク差し引いても)多分良いという結論に至っていて、それが最近都内で見かけるやたら密度の高い飲食店の光景なんだろうと思う。


さて今年は全然海外旅行にいかなかった。出張もなかった。

思い起こすと留学だ出張だ旅行だっていうことで過去数年結構あちこち言っていて、9か国10地域のべ27海外渡航している。

2012年 イギリス
2013年 イギリス・チェコ・オーストリア・フランス
2014年 イギリス・ベルギー・香港・中国
2015年 アメリカ・カナダ・香港・中国
2016年 オランダ・香港
2017年 オランダ・ベルギー・中国・香港
2018年 イギリス・ドイツ・香港・台湾
2019年 イギリス・オランダ・中国・タイ

2020年はそんなわけで9年ぶりに一切日本から出なかった年になりそう。自分自身、海外の空気を吸う事でとてもインスピレーションを得られてきたと思っているので残念。

2020/06/12

候補者を口説ききるために大切なこと

インハウスリクルーターとして候補者、特にビジネスに大きなインパクトを与えるようなシニアポジションの内定者をどう口説くかは腕の見せ所です。

通常事業部長とか法人における財務責任者とか、その手の思いポジションになるとこちらも簡単には妥協できないため必然的に面接回数も選考する候補者の数も多くなりがちで、そのために1名の内定者の重みがジュニアポジションとは変わってきてしまいます。シニアポジションで一人内定者を逃すということは、それまでのプロセスで関わってきた役員レベルなんかの時間も全部無駄にすることになるからです。

シニアレベルの内定者を口説きおとすために大事なのは3つあります。

1情報収集
腕の立つヘッドハンターと良好な関係をつくるのはもちろんですが、ほかにも様々な情報ソースで候補者の周辺情報を洗っておく。ここでちゃんとその候補者のプライオリティやその背景にある金銭的・心理的インセンティブを把握しておけるかどうかが2の成否を左右する。


2社内のステークホルダーからの協力
最終的なこちらの口説き力みたいなのは、質×量みたいな側面がある。
①質)口説くのが上手な適切な人選のステークホルダーを巻き込めるか+彼らに1の情報収集をもとにした適切なディレクションを出せるか
②量)十分な数のステークホルダーを巻き込めるか
この①②どちらも普段から現場側のステークホルダーと十分良い関係を築けるかどうかや、彼らに採用側のバリューを適切に認知してもらえるかどうかが影響する。

3リクルーター自身のストーリーテリングの力
なんだかんだでリクルーターが直接口説く場面は少なくない。その時にとくに現場から離れた客観的視点からその候補者に入社してもらう必要性のストーリーを語れると成功率がとても上がる。たとえばA事業部は今こういう課題を抱えていて、あなたに入ってもらいBというスキルを活かしてその課題解決をしてもらいたいんです、という具合

あと123すべてに共通しているのは当該ビジネスについての理解度が万事に影響してくるので、基本的な教養みたいなのが割と物をいいます。私がたいして役にたたないMBAのありがたみを多少でも感じるのはそういう時です。


2020/01/19

備忘録、持ち家と賃貸の有利不利

持ち家が得かどうか


橘玲氏の本を読んでようやく持ち家の損得についてそれなりに考えを整理できたので備忘録として書いておきます。住宅ローン界隈には本当に疎いので金額とかは凄い的外れかもしれません。
家も資産の一形態に過ぎない。この前提で持ち家と賃貸の良し悪しを考えてみる。

仮に頭金なしで全額ローンを組んで5000万の住宅を購入したとする。
この家に賃貸で住んだ場合の家賃が今も今後も月12.5万円だったとき、年間家賃総額150万。借金を返す必要はあるが、5000万を運用して3%の運用益が出ている状態とみなせる。
仮に住宅ローン金利の支払い総額1000万円としてこれがこの運用を実現するための借入コスト。

今度は同じ5000万を運用して年3%の運用益を得られたとした場合を考えてみる。一年に150万の運用益。一月あたり12.5万円。これでさっきの例と同じ住宅に住んだとする。この場合持ち家と賃貸がトントン。

ただし賃貸は借入コストがかからない。信託報酬とか売買手数料がかかるが住宅ローンよりぜんぜんやすい。持ち家の場合はその分、実際はもっと良い、借入コストを補って余りある家に住めれば持ち家派の勝ちだし、賃貸派と同じレベルの物件にとどまるか、借入コストを吸収できなければ負け。

ただし持ち家派の場合大金を一つの資産にオールインすることになるのでハイリスク。これが賃貸派が持ち家派を攻撃するときの一番の理由。
あとは金融資産と住宅、値上がりする確率が高いのはどっちか。これも少子高齢化の日本だと住宅が不利とされることが多い。

ただし普通庶民は5000万も運用できない。なので借金つまりローンによる大きなレバレッジの運用をできる点がたぶん持ち家派の最大のアドバンテージになる。

もともと資産持ちならわざわざこの日本で住宅ローンに借金でオールインするより分散運用して得た収益で賃貸に住んだ方が良い気がするが、そんなのは極一部の話。

そう考えると住宅ローンもそう非合理的な選択でもない。

あと賃貸派は住宅ローンに追われない分積極的に資産運用しないと持ち家派に勝てない。ただ漫然と賃貸に住んでててはダメ。

2019/09/09

筋トレ

3ヶ月くらい前からまたジムに通いだしています。それで今日はじめてマシンの同じ重量を軽く感じるという経験をしました。あー、こういうことってホントにあるんだなって。