2012/05/29

ロンドンの赤

『元気ですか。
(略)
さて。ロンドンで僕が気にいっている点をいくつか挙げるとして、たぶん8番目くらいにくるのがロンドンのポストカードとポストカード屋さんです。これまで色々な街を訪れましたが、ポストカード/ギフトカード専門店がこんなに多い所は、たぶんロンドンがはじめてです。きっと、この街の人々は手紙を書くという行為を大切にしているのでしょう。ロンドンは、先進国の首都にしては万事非効率な事が多いですが、非効率なことには非効率なことの良さがあるものです。カードはデザインも秀逸なものが多く、見ているだけで楽しくなります(このカードも捨ててしまわないように)。

ところで、ロンドンで好まれて多用されている色があるのですが、何色だと思いますか。それは、このポストカードの表紙も使われている、ビビッドな「赤」です。ギフト類はもちろん、「二階建てバス」「電話ボックス」「ナショナルギャラリーの館内マップ」「スキニーパンツ」「女性の頭髪」などなど、あちこちに目の覚めるような赤が使われています。おそらくこの赤はイギリス国旗の赤から来ているのだと思いますが、僕は親しみを込めて“British Red”と呼んでいます。

赤というと、フェラリー等で有名なイタリアの赤(紅の豚でもいいけど)も印象深いですが、イタリアの赤が燦々とふりそそぐ陽光に自然と溶け込んでいるのに対して、イギリスの赤は雲におおわれてモノトーンになりがちな街のアクセントといった趣で、むしろ鮮烈な輝きがあります。ぜひ見にきてください。感動すると思います。
それではまた。』

2012/05/28

アムステルダム3

なんだか間が空いてしまいましたがアムステルダムの続き。

3日目の夜はH高が空いてるということで仕事後に街に繰り出し、ウロウロしたりコーヒーショップに入ったりした後に中華を食べて帰宅(飾り窓は見ただけ。本当に見ただけ)。

4日目(土曜日)はH高が「どこでもいいよ」というので「歩き方」にのってたマウデン(Muiden)という街を(余り何も考えずに)チョイスして行ってみることに。

アムステルダム東部のアムステルダム・アムステル駅(なんて名前だろう)からバスで東へ20分程。湖湖畔の小さな街で、ヨットハーバーがあって結構頻繁にヨットが行き来しています。街の中心部にかけられている橋はヨットが通る度に回転してヨットが通過できるようになります(そしてその間歩行者と自動車は待つ)。
 II → =

【マウデンの回転橋】



見どころといえば、この回転橋とマウデン城という小柄なお城、ヨットハーバーと伝統的な街並みといったところで2~3時間もあれば周れてしまうこじんまりとした街でしたが、街歩き派の私にはとても好ましいところでした。歩いてて楽しく、カフェなんかも趣きがあってとても良かった。

【マウデンの街並み】

 【マウデン城】


その後アムスに戻って、
チーズショップを冷やかしたり、

フラワーマーケットを散歩したり、
ダム広場の移動遊園地を眺めたり、
土産物を物色したり(マグカップとTシャツを購入)した後、
オランダ名物インドネシア料理を食べて帰りました。
※旧宗主国のためインドネシア料理は美味しいし有名

5日目(日曜日)、この日は女王様の記念日とかなんとかで街中大騒ぎ。オレンジ色で着飾った人達が大騒ぎをしていて、当初観光しようと思っていたスポットがいくつかあったもののあまりの混雑ぶりに断念。しょうがないので結局またサンポしたり一人でお茶したり帰ってレポート書いたりと、若干無為に過ごしてしまいました。とはいえ、我がロンドン・イーストエンドと違い、無為に過ごしていても気持ちいい街なのは確か。

つらつらと取り留めなく書いてきましたがアムステルダム滞在記は以上。

話変わりますがFacebookにTravel Brainというアプリがあります。私はFacebookプラットフォームのアプリはおっかないので基本的に使わない・承認しないのですがこのTravel Brainだけは過去行った場所が地図に表示できるのと、訪れた国・街の数を表示できる機能が好きなので使っています。

今回、オランダを訪れたことで「行ったことのある国数」が23ヵ国になったのですが、自分の感覚としては結構あちこち旅行しているように思っていても、やっと全世界の国数の1割ちょっと。世界広しです。

2012/05/22

学費支援と社会保障政策

ネット上で話題になっていた学費支援サイトに関してのメモ
あまり時事的なトピックに関することは書かないのですが、今の学生という立場と、大学(学部)に融資で通って、今も返済中という背景からつい色々考えてしまったので、備忘録。

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■英国の社会保障政策の変遷をなぞっていくと、経済的困窮に対する二つの視点いずれを重視するか、右往左往してきた結果だと分かる。
A) ある人の経済的困窮の原因は、不可避な出来事に帰する(戦争・不況・怪我病気障がい等含め、努力しても報われない状況を生み出す全てを含む)
B) ある人の経済的困窮の原因は、本人の近視眼的な選択に帰する(貯蓄しないで散財など)

■通常、社会にはAB両方の人が存在するが、どちらを多めに判断するかで政策が変わってくる。

■Aとみなされる人を増やしすぎると、社会全体の貯蓄インセンティブが下がり、社会保障コストがあがる。Bとみなされる人を増やしすぎると、社会不安と不満が増大する。

■そこで、先にバランスのよさそうな境界線をひいて、各貧困者がABどちらに該当するのかを判断し(Means Test)、給付を受ける妥当性のある人に必要な給付を与えるというのが、英国の社会保障制度の基本的な考え方。

■重要なのは、妥当性の判断においては、完璧な判断はあり得ないにしても、最善を尽くす事が求められる点。給付を受けようとする側も、なるべく客観的に社会保障を受ける妥当性を証明しなければならない。

■妥当性の判断がいい加減になると、貧困者の間で「しらけ」が広がってしまい、逆に社会的な不満が増大しかねない。例えば特定のコネがある人が優遇されると、無い人達はむしろ不満を募らせる。

■翻って学費支援プラットフォームにおいてもMeans Test同様の妥当性の判断が必要で、それはなるべく客観的かつ分かりやすいものでないと、貧乏な学生は逆にしらけてしまう。妥当性の判断に用いられる情報がろくになく、一番わかりやすい情報が「女子大生のちょっとかわいい顔写真」だったりすると、これはもう決定的にしらけにつながる。「SNSフォロワー日本一」というのも、それがなぜ妥当なのか説明がないと、分からない人は分からない。しかも成績下がって奨学金が切られたというオマケつき。これは相当ちゃんと説明しないと「B:近視眼的な選択による困窮」で、支援に値しないと思われる。

■にも関わらず既に約100万円集まってしまっている模様。これを見て、苦学生はどう思うか。相当SNSが好きな人でもない限り、世の不条理に逆にゲンナリする人、結構いるのでは。勉強頑張って奨学金維持している人もモチベーション下がるように思う。そしたら支援プラットフォームの志と、逆の方向になってしまう。

2012/05/09

アムステルダム2

レポート提出タイミングと重なってしまったため、アムス2日目はほぼほぼ籠ってレポート作成。

夕方、5:30頃にようやく重い腰を上げてアムステルダム南駅から最初に来たバスに飛び乗り、行き先不明のバス旅行に出発。着いた先はアムステルダムの北東端で、中心地まで歩いて行けそうな所でした。

そこからトコトコ歩いてアムス中心部を通過し、途中でドネルケバブを食べたり(店のおじさんが値段をオマケしてくれた)有名な飾り窓地区を冷やかしたりして中央駅に着。トラム(路面電車)に乗って9時前に帰宅しました。こう書くと夜遊びに出掛けた風ですが、実際のところ4月下旬のアムスは8:30頃までは非常に明るく、バスを降りた夕方6時頃なんて普通の昼下がりといった趣。これは気を付けないと生活リズムを乱しそうです。

【ザーン・スカンス】


3日目、H高の勧めもあり、ザーン・スカンスという、オランダの伝統的な家とか風車とかを多数移転させて(近年数が減っていて取り壊されがちとのこと)、村一つ博物館にしたようなところへ出かけけました。アムステルダム中央駅からは最速で電車15分程でしょうか。多少作られた感はあるものの、風車の中に入れたり、木靴の制作現場を見れたり、本場のチーズを食べられたりと色々詰め合わせのバリューパックみたいなところで大満足でした。いかにもなオランダ情緒を味わうには良い場所かと。

【木靴工場の動画】


さてこの2日アムス近郊をうろうろして感じたのが、他に類を見ないレベルの交通における自転車依存度の高さ。私が過去に訪れた23か国約40都市で、これほど自転車道路網が整備されている場所はありませんでした。スイスのジュネーブもかなりの自転車都市でしたが、アムステルダムの比ではないです。

主だった道路は全てといっていいほど車道・歩道・自転車道が並走しており、自転車道の占める幅が歩道以上という道も多数みられます。そしてその快適な自転車専用路を、逞しい両足とスポーティーなクロスバイクで疾走していくオランダ人。現在進行形で自転車の良さを再発見している身としては結構感銘を受けるものでした。

このような自転車の活用ぶりは、起伏の少ないオランダの土地柄、各都市圏が比較的コンパクトにまとまっていること、そして合理性を重視するオランダ人の国民性によるものという説明を聞きましたが、そもそも「たとえコストがかかっても、たとえ環境に悪くても、とにかく早く速く移動できる交通が良い」という価値観の元では成立し得ないもののはずです。

余計なコストがかからず、健康によく、環境に良いということに優先順位をおくことと、オランダの年間休日の多さは根っこの部分で繋がっているように感じました。

2012/05/03

アムステルダム1


アムステルダム赴任中のH高が5月からドイツに異動となるため、せっかくなのでアムスにいくことにしました。

先週27日(水)夜~30日(月)朝まで滞在、木~日までの4日はフルに滞在したのですが、
レポートに追われていたため、丸一日観光できたのは1日だけでした。

(一応毎日1回は中心部までは出掛けるようにはした)

空港だけは乗り継ぎに利用したことがあるのですが、やはり入国審査等を通過したあと、初めてちゃんとその国の土地を踏みしめた時の感慨は別物です。初めての国への入国というのは何故こんなにエキサイティングなんでしょうか。

事前に何一つ予習してこなかったので、列車一つ乗り降りするのも周りを見たり聞いたり尋ねたりと、久々に勝手の分からない感覚を満喫しました。

さてなんとかAmsterdam Zuid駅(南駅の意、らしい)にたどり着き、そこからH高の携帯に電話する予定でしたが、公衆電話が全然ない。駅のおばちゃん含め、3人位に尋ねたのですが、「あの辺にあるような気がするが、不確か」とか「見た記憶もない」とか、皆そんな調子。日本でも公衆電話は減ってますが、ここでも同じようです。


1時間近くウロウロして諦めかけたところで、送別会を切り上げて探してくれたH高に拾って頂きました。助かった。

その日はもう遅かったので、バーガーキングのセットを食べてさっさと寝ました。

続く。