ニューズウィーク/イギリス暴動を読み解くヒント
http://www.newsweekjapan.jp/joyce/2011/08/post-47.php
はてな匿名ダイアリー/イギリス暴動の裏にある鬱屈と絶望について
http://anond.hatelabo.jp/touch/20110816094649
どちらも暴動の背景に同じ構造的な問題を指摘していて、ざっくり私が理解したところではこんな感じかと思います。
低収入のシングルマザーを優遇する政策+手厚い失業給付制度
→あえて「働かないシングルマザー」を選択する人々の増加
→親に十分な収入がないので正規教育を受けずに育つ子供の増加
→就労経験のない若者が大量生産され失業保険でブラブラしている
食べてはいけても、社会のヒエラルキーの上方にいくのは極めて難しく、腐る
→「下層の若者」は鬱屈し、納税者は憤りをため込む
日本でも格差是正や高福祉高負担型社会の実現を訴える政治家・マニフェスト・メディア・etcを見かけますが、そうした政策を判断する上で、改めて以下のような点に留意しなければならないことを強く感じました。
・セーフティーネットに関する政策は、余程念入りに設計しないと労働者から働くインセンティブを奪いかねない。有る程度性悪説に立った設計が求められるのかもしれない
ニューズウィーク抜粋・特定の層を優遇・補助する政策は一度できてしまえば、既得権益を持つ集団を生んでしまうため後から是正しにくいケースがある
労働党政権はシングルマザーに寛大な政策を進め(貧困地域では、未婚で母になることはタブーどころかむしろ常識になっている)、事実上、人々から働く意欲を奪ってしまった(最低賃金で働いた場合の収入と、働かずに給付金をフルでもらった場合の金額がほとんど同じだから、わざわざ働こうなどという人は英雄的だ)。
・格差を是正するために導入した政策が、格差を構造的に助長してしまうケースがある
はてな匿名ダイアリー抜粋セーフティーネットの整備と働くインセンティブ(頑張らないと食べていけない)をどうバランスさせるか。日本においても突きつけられている問題であり、(反面教師として)学ぶべき点は多いと感じました。
それに、貯金額が6000ポンドを超えてしまうと支給額が減額されてしまうので、そもそも貯金する理由がないのだが。ちょっと大きなTVを買おうとすれば、夜遊びを楽しみたければ、その分働くしかない。問題なのは子供だ。託児所に預けたいところだが、ロンドンの託児所は1ヶ月フルタイムで1000ポンド。平均所得層ですら厳しいこの金額を彼らが払えるわけはない。その結果、子供は無人の家に置き去りでTVを見るかゲームをするかと言うことになる。言葉を学ぶには最低の環境だ。